鉄鋼商社が描く、サステナブルなオフィスの未来:伊藤忠丸紅鉄鋼の挑戦

鉄鋼商社が描く、サステナブルなオフィスの未来
2025年5月7日、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社は本社を東京ミッドタウン八重洲セントラルタワーに移転しました。この移転に際し、同社は日本初となるグリーンスチールを活用したオフィス家具を大規模に導入し、約30トンのグリーンスチールを使用することで、製造時のCO₂排出量を約60トン削減する効果が見込まれています。
グリーンスチールとは何か?
グリーンスチールは、製造過程で排出される温室効果ガスを削減した鉄鋼材料です。鉄鋼業界では、水素還元プロセスなどの新たな脱炭素技術の開発が進められていますが、それらが商用化されるまでの移行期においては、既存の脱炭素技術や製造プロセスの改善によって実際に削減された排出量をプールし、特定の製品に割り当てた鉄鋼を「グリーンスチール」として提供しています。
オフィス家具へのグリーンスチール導入
内田洋行が開発・納入したオフィス家具には、以下のような特徴があります:
- Arcenaデスクシステム:
約570名分を導入。多様な働き方に対応するフレキシブルなデスクシステムで、天板の高さ調整やモジュールの拡張が可能です。 - ハイパーストレージ:
約200台を導入。収納機能に加えて間仕切りやサイドテーブル、立ち作業用スペースとしても活用できる高品質な収納システムです。
これらの家具は、グリーンスチールを使用することで環境負荷を低減しつつ、機能性とデザイン性を兼ね備えたオフィス空間を実現しています。
オフィス戦略と環境配慮の融合
伊藤忠丸紅鉄鋼は、「鉄を商う。未来を担う。」というステートメントのもと、2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、Scope 1および2における温室効果ガス排出量を2030年度までに2020年度比で50%削減する中間目標を掲げています。今回の本社移転は、同社の環境への取り組みを体現する象徴的なプロジェクトとなりました。
新オフィスのコンセプトは「Fusion(融合)」であり、多様性と先進性、一体感を兼ね備えた職場環境を目指しています。部門を越えた連携や自由な働き方を促進するレイアウトやファニチャーにより、活気あふれるオフィスが実現しています。

内田洋行の「アルセナデスク」は、多様化する働き方に対応するフレキシブルなデスクシステムです。フリーアドレスやチーム単位での協働作業、個人の集中作業など、業務内容に応じて天板の高さや様々なモジュールを拡張可能な構造となっています。電源やネットワーク配線をすっきりと収められる設計により、ICTを活用したスマートな働き方を支援します。

内田洋行の「ハイパーストレージ」は収納機能に加えて間仕切りや、サイドテーブル、立ち作業用のスペースとしても活用が可能です。執務スペースや共用エリアなど、空間の用途や規模に応じて柔軟に対応できます。扉や引き出しは開閉しやすく、安全性やユニバーサルデザインにも配慮されており、快適で使いやすいオフィス運用を支援します。
企業情報
会社名 | 伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社(Itochu Marubeni Steel Inc.) |
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所在地 | 東京都中央区八重洲二丁目2番1号 東京ミッドタウン八重洲(32階〜34階) |
代表者 | 代表取締役社長 石谷 誠 |
設立 | 2001年10月(伊藤忠商事と丸紅の鉄鋼製品部門の「分社型共同新設分割」により設立) |
事業内容 | 伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社(MISI)は、伊藤忠商事と丸紅の鉄鋼部門が統合して2001年に設立された鉄鋼総合商社です。鉄鋼製品のトレーディングを中心に、国内外の事業投資やサプライチェーンマネジメントを展開し、グローバルにビジネスを展開しています。 |
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