自社ビルの“再生”が企業成長の起点に。コクヨが提案する、これからのオフィス戦略

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2024年10月、コクヨが発表したのは、老朽化した自社ビルを「働き方からまるごと再設計」するという、新しいリノベーションの形だった。
これまで、“オフィスのリノベ”といえば壁紙の貼り替えや間取り変更といった表面的な対応が主流だったが、コクヨが提案するのは、企業のワークスタイルを起点にした空間戦略そのものの再構築だ。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000957.000048998.html
なぜ「一棟まるごと」が今、必要なのか
コロナ禍を経て、働き方の多様化が進んだ今。
「どこで、誰と、どんな目的で働くか?」が、企業文化や人材戦略に直結する時代になった。
特に中小~中堅企業では、古くから所有している自社ビルをどう活かすかが経営課題になりつつある。
しかし、建て替えは莫大なコストがかかる。
そのうえ、解体・新築には長い時間が必要で、業務に支障も出かねない。
そんな背景から注目されているのが、既存ストックの高度活用=「リノベーションによる再活性化」という選択肢だ。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000957.000048998.html
働き方起点で“空間を再編集”するという考え方
コクヨのサービスは、単なる改修ではない。
- 屋上をコミュニケーションスペースに
- 外壁を大胆に開口して自然光を取り込む
- 内階段を新設して部門間の連携を促す
など、組織の課題解決と空間デザインを一体化したリノベを提案している。
その根底にあるのは、「空間が人を動かす」というオフィスデザイン哲学。
“居心地の良さ”や“見通しの良さ”は、単なる快適性だけでなく、企業の生産性・創造性に直結するファクターなのだ。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000957.000048998.html
リノベだからこそ実現できる“サステナブル経営”
さらに注目すべきは、その経済性と環境性。
新築と比較して建築費は約半分、工期は約1年短縮可能とされ、CO₂排出量も大幅に抑えられる。
オフィスの更新=環境負荷というイメージを覆すこの手法は、ESG経営やSDGsに取り組む企業にとっても魅力的だ。
「オフィスはコスト」から「価値を生む投資」へ
これまで、オフィスは“必要経費”と見なされてきた。
だが今や、採用・定着・ブランディング・イノベーション…あらゆる経営成果にオフィス環境が関わっている。
だからこそ、老朽化した自社ビルを放置せず、企業らしい“働き方の器”として再定義することが、未来の企業競争力を高める一手になる。
オフィス革命的・考察まとめ
今回のコクヨの発表は、ただの新サービス紹介ではない。
それは、「オフィスを建てる」から「オフィスを育てる」時代へと向かう、明確なシグナルだ。
今、自社のビルやワークプレイスに違和感を感じているなら、それは“変化のサイン”。
「建て替える」でも「引っ越す」でもなく、
“今あるビルを、これからの武器に変える”という視点を、私たちももっと積極的に持つべきではないか──。
企業情報
会社名 | コクヨ株式会社 |
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所在地 | 大阪府大阪市東成区大今里南6丁目1番1号 ※2026年4月に「グラングリーン大阪 パークタワー14階」へ本社移転予定 |
代表者 | 代表取締役社長 黒田 英邦 |
設立 | 1905年(明治38年)10月 |
事業内容 | 文房具の製造・仕入れ・販売 オフィス家具の製造・仕入れ・販売 空間デザイン・コンサルテーションなど |
URL | https://www.kokuyo.co.jp/ |